● 専門分野
 それぞれの講座について、最近の研究テーマを選択して、例として挙げます。

[計算機システム工学教育研究分野]私たちの研究室では、計算機システムの高信頼化、つまり故障によりコンピュータが誤動作しないようにする技術を主に研究しています.
・VLSIチップの不良品を発見しする方法(テスト)、また不良品を発
見しやすくする設計技術(テスト容易化設計)
・欠陥を含むチップも利用可能にする技術(欠陥救済技術)
・多くのコンピュータをネットワークで接続したシステム(並列・分
散システム)で生じた故障をカバーする技術
・通信途中のノイズやCD/DVD/ハードディスクに生じた傷等によるデ ータ、特に圧縮データ、の誤りを回復する技術(誤り制御符号)
・家庭内のコンピュータ(情報家電)に対する誤動作対策技術

[情報基盤マテリアル工学教育研究分野] 原子を10個並べると約1ナノメートル(1nm)の長さとなります.1nmから100nm程度の大きさの粒子や分子の集合体は小さくて人間の手で一つ一つを掴むことはできませんが、ナノメートルサイズの物質は大きさが変わると色が変わり、また、普段手に触れることができる大きな物(1mm以上)とはその性質が大きく変わり面白い性質を示します.そこでナノメートルの大きさの物質や材料の特徴的な性質を引き出し、それら小さな物の集積技術を確立して、新しい働きをするセンサーや情報・通信・画像表示に役立つ新しい素子を開発することを目指しています.具体的には金属と有機分子が複合化したナノ粒子、フラーレンやナノチューブのような炭素化合物、集積型金属錯体(ナノワイヤー)などを利用しています.
[光情報工学教育研究分野]本田・椎名グループ:電磁波(電波,光,X線)は,人にとって情報インターフェイスの強力な道具です.私たちのグループは,光(特にレーザー)を用いて,主に画像による情報の取得・計測・表示の研究開発をおこなっています.具体的な内容は,各教官の部分を参照してください.
 
[電子光情報マテリアル工学教育研究分野]小林・田中グループ:私たちの周りにはテレビや表示板,雑誌、広告をはじめとする様々なディスプレイや記録媒体があります.私たちはこれら情報表示のヒューマンインターフェースであるディスプレイや光を利用した情報入力に関わる材料ならびにそれらを組み合わせたデバイスの研究をしています.
小関・石井グループ:光などの電磁波との相互作用により、材料に大きな性質の変化が生まれれば、情報を記録・記憶・表示するための情報画像材料として応用することができます.より私たちの社会に役立つ情報マテリアルを創りだすための基礎となる、材料設計や物性の評価に関する教育と研究をめざしています.具体的には、次世代超高密度メモリーとしてのホログラム記録材料、インクジェットプリンティング、液晶ディスプレイ材料に関する研究などを行っています.
 
[画像物理工学教育研究分野]画像情報等の大容量情報伝送社会を支える光通信システムは,光源,光ファイバ,光スイッチ,光空間変調器等の構成要素からなります.
 本研究室では,これらの構成要素の開発,性能特性評価を行っています.研究テーマは,光ファイバ中で起こる散乱現象を利用した光ファイバ内の歪み,曲げ,損傷の遠隔計測,光通信システムにおける光ファイバ型周波数フィルタ等の受動素子の開発に関するもの,非線形光学効果を用いた高機能レーザ,有機光導波路素子,特殊波長全固体レーザの開発に関するもの,さらには半導体における光非線形効果の基礎的研究と光論理デバイスへの応用に関するもの等,光通信・光情報処理に係わる広範な領域にまたがります.
 
[ソフトウェア工学教育研究分野]当分野では、多数の計算機やネットワークを効率的に統合して利用するためのソフトウェアの設計・開発や、計算機の集合体を利用したいろいろな情報処理モデルに関する研究を行っています.基礎理論としてのソフトウェアの数理的性質、工学的実装法から、応用として大規模なネットワーク上での通信を制御するソフトウェアの研究、ネットワーク上に分散した多数のロボットなどを同時に効率的に制御するためのソフトウェアやアルゴリズムの研究を行っています.上に挙げた基礎や応用問題を解決するために必要な数理的道具としての計算言語理論や離散数学の研究も当分野の重要な研究課題の1つです.
 
[情報通信ネットワーク工学教育研究分野] 私たちは、情報通信ネットワークの設計や構造の解析、およびネットワークを通して、様々な情報を安全・確実、かつ動画や音声を高品質に配信するための制御方式・アルゴリズム、プロトコルの研究を行っています.インターネットは、IT社会の情報インフラとして広く社会に定着しましたが、今後はインターネット技術とユビキタスシステム技術が融合し、無線を中心とした様々なネットワーク上で、携帯電話やロボット、情報家電、車、センサ、ウェアラブル端末などに対して様々なサービスが実現されていきます.私たちは産業界の最先端企業とも連携をとりながら、ユビキタスシステム時代を先取りする技術を開発していきます.利用者の利便性、安全性、快適性を最大化するためのネットワーク技術に、基礎理論から実ネットワークの構築、実験評価、応用までの広い視点から取り組み、社会に貢献する研究を推進します.

[情報表現プロセス工学教育研究分野]情報は様々な形で表現されます.なかでも人間の目に見える形として表現されたのが文字や画像です.研究室では,電子的あるいは電気化学的な方法で情報を表現するための新規な画像形成プロセスの設計と電子機能材料の創製を行っています.紙のように薄くて軽く持ち運びができ,しかも情報の書換えが可能な未来の情報の紙:電子ペーパーやリライタブルペーパーの研究,情報がいっぱい詰まった高精細画像を作るレーザー熱転写記録,なんでも写し取るコピーやプリンターの心臓部である電子写真感光体やトナーの研究を行っています.実験と思考を通じて真理の追究と,発見,発明につながる自然との触れ合いを深めるよう努力しています。情報表現工学を通じて社会に貢献する研究室です.
 
[像情報プロセス工学教育研究分野]フィルムを用いた銀塩写真は高い解像度、電源不要でコンパクトなどの特徴を持ち、急速なデジタル化の中でも、これらの特長を活かした新しい応用が可能です.私たちはその基礎となる銀塩写真の感光のメカニズムを、マイクロ波を使った特殊な測定機など色々の手段で探っています.その知識をベースに、ニュートリノなどの素粒子の飛跡を検出して表示する技術や、写真フィルムで金微粒子や金の膜の写真画像、ホログラム像を作製する技術などに展開しています.
また、例えばエレクトロクロミック材料など、高機能な微粒子材料の開発を目指して、情報・画像材料の単分散粒子やナノ粒子の調製や応用に関する研究も行っています.

[微細画像プロセス工学教育研究分野]星野研究室の方針は、“欧米に追随することなく、だけど欧米にもアピールできる研究”を目指すことです.ナノテクノロジーを駆使して世界初のナノ構造材料をいくつも作りだし、その成果は、論文はもとより、英国のNature WebやThe Guardian新聞誌上、そしてドイツやアメリカで報道されました.さらにその結果をイメージングに利用することを通して新たなイメージング分野の開拓に取り組んでいます.また高原Gでは、コンピュータのプロセッサやメモリを製造する為のフォトレジストを始め、光による微細加工用材料の研究をそれぞれの機能を設計しながら進めています.またナノサイズの金属超微粒子を用いたレーザーイメージング法の様に高密度=極微細な表示・記録材料を材料の観点からだけでなく、記録方法や加工方法と言ったプロセスの視点からも研究しています.同時に環境や人体に優しい材料・プロセスの研究も行っています.

[知的画像処理工学教育研究分野] 私たちは,「人に優しい画像情報空間の創造」を目指して,ディジタルカラー画像処理アルゴリズムに関する研究を行なっています."百聞は一見に如かず"と言われるように今や画像は情報通信の主役です.しかし,この一見は人にとって易しくともコンピュータには難題です.快適な画像とはどのような画像か,人が必要とする画像中の情報はどのようにしたら簡単に得られるか,人が行なっている仕事を,画像によってどのようにサポートすることができるか・・・.これらを一寸賢い知的画像処理によって解決することを目指しています.
 また,「教育は人材という最高の製品を生み出すライン」との考えの下に,真に世の中に役立つ人材の育成を目指しています.

[認識情報工学教育研究分野] 私たちの周囲には,音や光の波動情報が常にあふれています.本研究分野では,これらの情報を最大限に利用することで,「見る・聞く」だけでは知ることのできない新たな情報を得,医学,海洋観測などの広い範囲に応用するための研究を行っています.
 医学応用として,超音波を使った生体組織構造の認識,眼の角膜や水晶体の形状などを2次元・3次元で計測・評価する手法など,計測と画像を複合させた定量的な診断法の開発を行っています.また,水中や地中における観測技術の向上を目指し,様々な海域における温度や流れの分布を高精度に計測し,詳細な海洋構造を認識する手法などを開発しています.
[ヒューマンインターフェース教育研究分野]私たちは,誰でも友達感覚でコンピュータを利用できることを目指して,人間とコンピュータの関係について研究しています.特に,当研究室では「音声」「福祉」「音楽」の3つのテーマを掲げています.「音声」では,人間とコンピュータが音声で会話するシステムの開発や,人間同士の会話を分析しています.「福祉」では,障害者の方に優しいコンピュータを目指して,手話や点字を通訳するシステムの開発や,手話や点字の構造について分析しています.「音楽」では,人間とコンピュータが合奏するシステムの開発や,人間の演奏を分析しています.このように,もの作りだけでなく人間についての分析も行っており,文系と理系が融合した教育・研究について取り組んでいます.

[生体生命情報工学工学教育研究分野]当研究室では,ニューロインフォマティックス(生体の機能を摸倣した情報処理技術を目指した生体情報工学,例えば,眼から入ってくる情報の処理,また記憶に係わる機能の数学的な研究),バイオインフォマティックス(生命情報工学,例えば,遺伝データからいかにしてその特徴を取り出すか,また,工学の他分野への応用研究),複雑系(不規則な変動を扱うカオスなどの数学的な研究,例えば,脳波,経済時系列データへの応用研究,地震断層等に見られるフラクタル研究)の先端的研究を行っています.
[像感性工学教育研究分野] いい画像とは何か、どうしたらいい画像ができるのかといった知識や感性が身につけることを目標に、画像作成、画像解析、画像評価といった分野の教育・研究を行っています.研究の例を挙げましょう.私たちは旧石器時代から絵を描いてきました.その人類の歴史にも匹敵する長い年月の中で築いてきた絵画には私たちが美しい、心地いいと感ずるいろいろな情報が含まれています.そのような絵画を解析し、その情報をデジタルイメージング技術に適用することで素晴らしいデジタル画像を作ることができます.別な例ですが、写真に写っている私たちの肌色が本当の色で再現されると、私たちはそれをいいとは感じません。私たちが好ましいと感ずる肌色は別な色なのです.やっかいなことにいろいろな状況でこの好ましい肌色が変わります.私たちは好ましい肌色に影響する因子を調べて、どのような場合にどのような肌色で再現すべきかを研究しています.

[視覚情報工学教育研究分野]人間はどのようにして物の形や色や動き,奥行きを見ているのか?この人間の視覚情報処理メカニズムを探る研究をしている.また,そこから分かったことを画像工学や情報工学へ役立てるような研究をしている.現在,主に進めている研究は,色を見る仕組みの解明,色を表わすための方法の開発,プリンターやディスプレイの色の評価,色覚障害者にもやさしいカラーバリアフリー,顔の肌色の解析,照明に用いる白色LEDの評価などである.当研究分野では,色に興味ある学生がこれらの研究に日夜励んでます.その他に、色再現性に優れた画像の入力,合成,出力の手法に関する研究や,ドームを用いた高臨場感映像システムの研究を行っています.さらに,医用画像の再構成や解析,合成,定量的評価等の研究も行っています.テーマ例として,画像統合化に基づいた膝関節の動作解析,肺のCT画像とSPECT画像を用いた肺機能の解析,気管支鏡ナビゲーションの研究などがあります.

[コンピュータイメージング教育研究分野]物理的な計測,実験に基づいた画像情報の処理,計測,解析,評価,認識に関して総合的に研究を行っています.具体的には,バーチャルリアリティ技術を用いた医療トレーナー開発,コンピュータグラフィックス技術を用いた化粧評価システム開発,視覚特性を考慮した次世代情報提示システムの開発など,画像技術,情報技術,バーチャルリアリティ, コンピュータグラフィックス, コンピュータビジョン技術などを融合しつつ,新しい情報画像の分野を切り開いております.また企業,国立研究機関,海外の研究機関等と積極的な交流,共同研究を行っています.

 ※それぞれの教官の専門分野については、「教官紹介」を見て下さい。